この胸の痛みをどんな言葉で表したらいいのだろう。
苦しくて息が出来ない。
悲しくってたまらない。
泣きそうだ。
鼻の奥がツンとした。
うっすらとぼやける視界に、慌てて別のことを考えて止めようとしたが、無駄だった。
大きな窓の枠も、目の前のベッドも、逆向きに座っている椅子のへりも、だんだんとぼやけていく。
この気持ちは、今までにも何度も味わったことがある。
その度に落ち込みそうになる心を無理矢理上向きにした記憶も、まだ脳裏に鮮明に。
それでも、諦めたくなかった。
無駄な努力だと、言われようとも。
笑ってほしい、ただ、それだけなのに。
それだけが、どうして、
途方も無いほどに、難しいのだろう。
オレがまだ、こどもだからだろうか。
おとなになれば、彼女を笑わせることが出来るのだろうか。
いや、違う。
だって、おとなたちはいつだって彼女を捕まえて、縛り付けて、動けなくすることしか出来ないのだから。
オレは違う。そんなおとなたちとは、違う。
きっと笑ってくれるはずだ。
そのためには、オレが泣いてちゃ駄目なんだ。
じゃあ、オレに出来ることは、何?
そもそもどうしてオレは必死になっているんだ?
時には修行もさぼって毎日ココに来ているのは、なぜ?
何で、オレはこんなにも、彼女に笑ってほしいんだ?
わからない。
わからないけど、笑ってほしい。
瞳の中にある、何も映さない闇が、何故だかとても悲しくて。
胸が締め付けられる。
いつか、いつかきっと彼女の闇に自分を映してくれる時がくる。
きっと、自分に笑いかけてくれる日がくる。
笑わない人間なんているハズがないんだ。
きっと、きっと。
だから、笑って、話し続ける。
笑顔をかえしてくれることを、願いながら。
彼女の漆黒の瞳に、一瞬、情けなく笑う自分の姿が映った。
そんな気がした。
02.瞳の奥底で
ラビ→リナ過去捏造。まだそれが恋だとも気付いていない、そんな感じ。